はじめに
こんにちは。「ディストニア回復ジャーナル」の管理人です。
私はジストニア患者であり、研究者として信頼できる最新情報をわかりやすくお伝えしています。
今回は、口や顎、舌の筋肉に異常な収縮が起こる 口顎ジストニア(oromandibular dystonia) について、症状・原因、そして日本で受けられる主な治療法を解説します。
口顎ジストニアとは?
口顎ジストニアは、咀嚼や発声、嚥下(えんげ)に関わる筋肉が意図せず収縮する運動障害で、口が勝手に開く、閉じる、または舌が突き出るなどの症状が現れます。
主な症状:
- 顎が勝手に開く(開口型)または閉じる(閉口型)
- 舌が突き出る、動かしにくい
- 咀嚼や嚥下の困難
- 会話時の発音障害
多くの場合、症状はゆっくりと進行し、日常生活や食事、会話に大きな影響を与えます。
発症の背景と原因
原因は完全には解明されていませんが、大脳基底核を中心とした 中枢神経系の運動制御異常 が関与しています。
既知の要因:
- 脳血管障害後や外傷後
- 薬剤(特に抗精神病薬)による遅発性ジストニア
- 他のジストニア(頸部ジストニアや眼瞼痙攣)との併発
(参考:
- 難病情報センター「口顎ジストニア」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/5472
- 国立精神・神経医療研究センター https://www.ncnp.go.jp/
)
日本における主な治療法
1. ボツリヌス毒素療法(ボトックス注射)
口や顎の特定の筋肉にボツリヌス毒素を注射し、筋肉の過剰な収縮を抑えます。
効果は数日〜1週間で現れ、3〜4か月程度持続します。
(参考:日本ボツリヌス治療学会 https://www.j-neurotoxin-therapy.jp/)
2. 薬物療法
抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗痙攣薬が用いられますが、効果は個人差が大きく、ボツリヌス療法との併用が一般的です。
3. 外科治療(脳深部刺激療法:DBS)
重症で薬物・注射の効果が不十分な場合、脳に電極を埋め込み電気刺激で症状を抑える 脳深部刺激療法(DBS) が検討されます。
(参考:東京女子医科大学 脳神経外科 https://www.twmu.ac.jp/info-twmu/departments/neurosurgery.html)
生活への影響とサポート
口顎ジストニアは食事や会話といった日常動作に直結するため、生活の質への影響が大きい疾患です。
生活上の工夫例:
- 柔らかい食事や飲み込みやすい食形態に変更
- ストローやスプーンを使用して嚥下をサポート
- 会話時にゆっくり発音する習慣
まとめ
口顎ジストニアはまれな疾患ですが、早期診断と適切な治療 によって症状の軽減が期待できます。
第一選択はボツリヌス毒素注射で、薬物療法や外科治療が補完的に行われます。
症状が現れたら、神経内科や脳神経外科、口腔外科などの専門医を早めに受診し、自分に合った治療方針を相談しましょう。

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